食品の放射性物質汚染
Q:現在どのように飲料水・食品の出荷(又は摂取)制限が行われていますか。
A:毎日、新しい指示や解除が輻輳して行われているので、新聞やTVで常に正確な情報を把握する必要があります。
また食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省などのホームページで詳しいことは報告されているので参考にして下さい。
厚生労働省HP:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001afps.html
食品中の放射性物質の検査結果(福島原子力発電所事故関連)
◆ 飲料水 ◆
しかし、その後は幼児を含めて規制値以下となりこの規制は解除されました。
◆ 野菜 ◆
その他で出荷制限されていたものは解除されています。
◆ 牛乳 ◆
◆ 水産物 ◆
尚その他の水産物については測定の結果、いずれも規制値以下ですが、風評被害で流通に支障がある例を耳にするのは残念なことです。
◆ 畜産物・卵 ◆
Q:食品の暫定規制値とはどのような数値でしょうか。
A:放射性ヨウ素と放射性セシウムの暫定規制値は次の通りです(4月5日告示)。
対象 | 放射性ヨウ素 |
---|---|
飲料水、牛乳・乳製品 | 300Bq/kg |
野菜(根菜、芋類を除く)、魚介類 | 2000Bq/kg |
対象 | 放射性セシウム |
---|---|
飲料水、牛乳・乳製品 | 200Bq/kg |
野菜類、穀類、肉・卵・魚・その他 | 500Bq/kg |
* 放射能の強さの単位:Sv(シーベルト)とBq(ベクレル)とは *
ベクレルとは放射能の強さを測る単位で、単位時間内に原子核が崩壊する数を表しています。
即ち1ベクレルは1秒間に1個の原子核が崩壊して放射線を出す放射能の強さをいいます。
一方、人間が放射線を浴びた時の影響度を示す単位としてSv(シーベルト)が使われます。
* BqとSvは以下のように換算できます *
(例1)300Bqの放射性ヨウ素131が検出された飲食物を1kg食べた場合 人体への影響は 300×1.6×10-5=0.0048mSv(ミリシーベルト) |
(例2)500Bqの放射性セシウム137が検出された飲食物を1kg食べた場合 人体への影響は 500×1.3×10-5=0.0065mSv(ミリシーベルト) |
* 健康に影響のない放射線の量(医療用は除く) *
因みに国内の自然界での放射線の量は年間400マイクロシーベルト、CTスキャン1回の線量は6900マイクロシーベルトです。
Q:流通している食品は大丈夫ですか。
A:規制値を越えるものは流通させないよう政府より指示されています。
従って、現在市場に流通しているものは摂取して問題ありません。
Q:水道水は大丈夫ですか。
A:一時幼児向けの規制値を越えたものがありましたが、現在は幼児向けを含めて規制値を越えているものはありません。
今後も雨の後などは数値が変化する事が予想されるので注意が必要です。
Q:野菜などを食べる時に気をつけることは。
A:現在、規制値を越えるものは流通していませんが、野菜を洗う、煮る(煮汁は捨てる)皮や、外葉をむく、などにより汚染の低減が期待できるとのことです。
Q:コンブやワカメに被ばく予防効果がありますか。
A:甲状腺に放射線ヨウ素が吸収されるのを防ぐため、予め海藻類を摂取したらどうかということですが、それらの含量が少なく、また一定でないことなどの理由で予防効果はないといわれています。
尚緊急時には指定された避難場所などで安定ヨウ素剤が支給されますので、指示があったら服用して下さい。
Q:放射性物質の汚染状況はどのように調べるのですか。
A:厚労省による「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」により、各地方自治体ごとに指定検査機関で検査が行われています。
食の安全コラム 記事一覧
そこで、最後の食品安全コラムは予定をかえて、「食品の放射性物質汚染」を取り上げることにしました。流動的な状態の中で戸惑うこともありますが、Q&A方式で問題点を整理してみました。
コラム執筆者の自己紹介
大谷丕古磨(オオタニヒコマ)が担当しています。
勿論、小金井市の住民で、現在小金井市の食育推進会議の委員(公募)です。
またボランティアですが、この食育ホームページの編集委員のメンバーでもあります。
私は食品会社に40年ほど在職し、現在は食品関連の技術士として行政当局や食品企業のお手伝いをしています。
特に食品の安全問題に関与して、講演や著作などの活動もしています。
食品安全委員会が発足して以来、5年間食品安全モニターを勤めたり、技術者の安全セミナーを主宰したりして、常に最新の食品安全の情報を把握するよう日々勉強しています。