うなぎ蒲焼と表示問題
日本人はうなぎをどれだけ食べているか
日本のうなぎの消費量は年間約10万トンです。
このうち国産は2万トンしかありません。
大部分は中国と台湾で養殖されて生き鰻(主に台湾産)または蒲焼に加工されて輸入されます。
因みに大部分は養殖物で、天然は200トン程度です。
国産と中国産はどう違うか
- 国産は日本の沿岸に遡上してくる稚魚を採取して養殖します。
中国では大部分ヨーロッパ産の稚魚から育てます。
同じうなぎでも種類が少し違います。 - 見かけは、中国産は体長がやや短く太目です。
開いた形を見ても、国産は図のように長くすんなりしていて区別出来ます。
- 味は好みですが殆ど差がないといわれています。
中国産のほうが軟らかくて美味しいという人も大勢います。 - 価格は中国産が国産の蒲焼の1/2?1/3ぐらいと安価のようです。
なぜ中国産を国産とする偽装事件があとを絶たないか
消費者が国産好みで中国産を嫌うのに便乗し金儲け主義の業者が後を絶たない。
JAS法では国内で一時飼育したり、一部加工すれば国産の表示が出来るなど表示に曖昧なところがあるのも原因の一つです。
2010年の土用丑は国産のうなぎは殆ど食べられない
2010年は日本沿岸の稚魚の収穫が異常に少なく、7月頃のうなぎの出荷の減少が予想されています。
うなぎの将来は
うなぎの産卵からの養殖までの完全養殖の研究が続けられています。
技術の完成には未だ少し時間がかかるようです。
当面は中国産を食べることですね。
大手の流通が扱っているものは安全面も確り管理されていると思います。
食の安全コラム 記事一覧
3月は食品表示や産地表示について触れました。表示の法律は難しく、聞いても混乱する事が多いので具体例を挙げて説明をします。具体例はうなぎの蒲焼です。
うなぎは中国産を国産と偽る偽装事件が頻発していますが、ついでにうなぎの産地についての知識を広げましょう。
うなぎは中国産を国産と偽る偽装事件が頻発していますが、ついでにうなぎの産地についての知識を広げましょう。
コラム執筆者の自己紹介
大谷丕古磨(オオタニヒコマ)が担当しています。
勿論、小金井市の住民で、現在小金井市の食育推進会議の委員(公募)です。
またボランティアですが、この食育ホームページの編集委員のメンバーでもあります。
私は食品会社に40年ほど在職し、現在は食品関連の技術士として行政当局や食品企業のお手伝いをしています。
特に食品の安全問題に関与して、講演や著作などの活動もしています。
食品安全委員会が発足して以来、5年間食品安全モニターを勤めたり、技術者の安全セミナーを主宰したりして、常に最新の食品安全の情報を把握するよう日々勉強しています。