農薬Q&A

農薬についてのQ&A
Q:普段食べている野菜には農薬が残っていませんか。
A:食品衛生法に基づき「残留農薬基準」が決められており、これを超過した農産物は国産・輸入を問わず流通が禁止されています。
残存農薬は全国で常時検査が行なわれていますが、農薬の検出率は0.7%、違反率は0.02%程度で推移しているとのことです。

Q:畑にまいた農薬はそのまま残って蓄積しませんか。
A:畑にまかれた農薬は日光にあたったり、土の中の微生物などによって分解されます。
土壌中で量が半分になる期間(半減期といいます)が1年以上のものは農薬として登録出来ません。

Q:残留農薬の安全性を確保する仕組みはどのようになっていますか。
A:前月のコラムにも説明しましたので、簡単に解説します。
動物試験などをもとに各種長期毒性試験で求められた無毒性量(NOAEL)を基礎として、人と動物の違いなども考えて通常1/100の安全係数をかけ、人が一生涯毎日摂取し続けても安全な農薬の量(1日摂取許容量:ADI)が決められます。
この1日摂取許容量を元にして、日本人が平均的に食べる1日あたりの農作物の種類・量とその農薬の残留実態から、農作物ことに許容できる農薬の残留量が決められます。
これを「残留農薬基準」といい、これらの仕組みにより農産物の安全性が確保されています。

Q:毎日の食事の安全性はどうでしょうか。
A:厚生労働省は市場に流通している食品を通常の方法で調理した後で、1日に摂取するであろう農薬の量を調査しています。
この場合検出した量はごく微量で、ADIの1%未満、多くても1%台にとどまるものが殆どで残留農薬量は極めて少なく人の健康に与えるレベルではないと考えられています。

Q:農薬の日本における生産量はどのくらいですか。
A:農薬の出荷量は年々減少しています。
20年前は年間50万トンであったのが最近は30万トン以下になっています。
性能が向上して少ない量、少ない回数で効果が出るようになったのが減少の理由と聞きます。

(食品科学広報センター資料より)

 
 

食の安全コラム 記事一覧

 

前月は農薬について解説しました。今回は農薬についての疑問点をQ&A方式で説明します。

コラム執筆者の自己紹介

食の安全コラム - 大谷丕古磨大谷丕古磨(オオタニヒコマ)が担当しています。
勿論、小金井市の住民で、現在小金井市の食育推進会議の委員(公募)です。
またボランティアですが、この食育ホームページの編集委員のメンバーでもあります。
私は食品会社に40年ほど在職し、現在は食品関連の技術士として行政当局や食品企業のお手伝いをしています。
特に食品の安全問題に関与して、講演や著作などの活動もしています。
食品安全委員会が発足して以来、5年間食品安全モニターを勤めたり、技術者の安全セミナーを主宰したりして、常に最新の食品安全の情報を把握するよう日々勉強しています。

 

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