BSEとその現状
はじめに
平成13年9月にBSE感染牛が日本で初めて確認されました。
現在、BSEはほぼ終息し、大きな話題となることはなくなりましたが、食品安全の問題として世界中に大きな影響を及ぼしました。
ここでその経過について食品安全委員会の資料等をもとに説明します。
牛海綿状脳症(BSE)とその原因
BSEは異常プリオンといわれる蛋白質が牛の脳に蓄積し、脳の組織がスポンジ状になり牛が異常行動や運動失調を起こして死亡する病気です。
原因はBSE感染牛を原料とした肉骨粉や人工乳を牛に供与したためと考えられています。
人への影響
当初ヒトには感染しないとされていましたが、その後BSEの関連としてイギリスで変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)が食物を通じて感染することがわかり、推定の死者は全世界で169名に達しました。
日本での同病の患者は1名で、英国滞在時に感染した可能性が強いとのことです。
わが国でのBSE対策
BSEが発症した牛の治療法はないといわれます。
日本では検査により陽性と確認された場合、殺処分にした後、焼却されます。また、感染拡大を防ぐ対策としては、BSE感染牛を原料とした肉骨粉を全ての家畜の飼料として与えないことが法律で規制されました。
その対策が功を奏してBSE問題は終息に向かっています。
一方、ヒトへの感染を防ぐため、屠殺処理時にプリオンを蓄積する特定危険部位(SRM)である脳、脊髄,回腸を除去することが義務付けられました。
国内で屠殺される牛については現在もまだ全頭検査が行なわれています。
<我が国の発生状況>
<海外の発生状況>
以上のようにBSEの発生は1992年をピークに世界的に急減しています。
日本でも2003年の出生を最後に、以降の出生牛ではBSEの発生はなく、BSEは殆ど終息したものと思われます。
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コラム執筆者の自己紹介
大谷丕古磨(オオタニヒコマ)が担当しています。
勿論、小金井市の住民で、現在小金井市の食育推進会議の委員(公募)です。
またボランティアですが、この食育ホームページの編集委員のメンバーでもあります。
私は食品会社に40年ほど在職し、現在は食品関連の技術士として行政当局や食品企業のお手伝いをしています。
特に食品の安全問題に関与して、講演や著作などの活動もしています。
食品安全委員会が発足して以来、5年間食品安全モニターを勤めたり、技術者の安全セミナーを主宰したりして、常に最新の食品安全の情報を把握するよう日々勉強しています。