「個食」の個は、個人や個別をあらわします。
家族で同じ食卓を囲んでいるにもかかわらず、まるでレストランで好みの食事をしているかのように、それぞれが好きなものを食べている状態で、外食以外にもお弁当などを買って食べるなどが多いとますます個食になりがちです。

家族が同じものを食べていれば、嫌いなものが食卓にのぼることもありますね。
子どもの場合は、最初は食べられなかったものが、成長と共に味覚の変化により食べられるようになることもあります。食卓から嫌いだからと完全に排除するのは好ましくありません。個食はこの機会を逃し、改善のきっかけすらなくしてしまうのです。
また、個食だと親が子どもの食事について把握しにくいといわれます。
親が同じものを食べないと、栄養バランスや味付けを一緒に感じ取ることができません。生活習慣病予備軍を作ってしまうことにもなりかねません。嫌いなものを食べさせる工夫も親の愛情。なぜ身体にとって必要なのか、食べてほしい気持ちを料理を通じて知ってもらう。子どもには、親との心のつながりを感じてほしいものです。

また、昔から「同じ釜の飯を食う」という言葉がありますね。
同じ食事を共にすることで、人間関係が活発になり、協調性が生まれるといわれています。食がコミュニケーションの一端を担うのです。合宿やキャンプなど、皆で作ったカレーや鍋料理などは、美味しさとあたたかみがある食事です。

家族の生活時間が違ってくるために、現代は個食になりがちです。
お父さん・お母さんは仕事で遅いために、子どもは習い事や塾で、本来の食事時間に家族が揃わないことがあります。せめて休日や時間の合う食事は、工夫によって共に食べる努力をしたいものです。

6つの「こ食」