血圧が気になるあなたは? Q15の解説です!
健康に良いイメージの発酵食品であるチーズですが、減塩チーズがあるということは、通常のチーズの塩分はそれなりに高いので気にする必要があるということになります。
A. 0.5g位, B. 0.25g位, C. 0.125g位
あなたは減塩量はどれくらいだと思いましたか?
では栄養成分表示を見ていきましょう。
栄養成分表示は、どちらも個包装1個当たりで表示されていますので、減塩量は、以下になります。
通常のチーズの食塩相当量(0.52g)- 減塩のチーズの食塩相当量(0.26g)= 減塩量(0.26g)
1個当たりで比べると、ちょうど半分量(50%)が減塩できることになります。
しかし、パッケージには、以下の様に25%カットと書かれています。これには、わけがあります。
「塩分25%カット」という様な表示(相対強調表示)をするには、以下のようないくつかのルールがあります。
・ 同種など適切な食品を比較対象とし明確に示すこと。
・ 低減された食塩相当量の差が100g(100ml)当たり0.3g以上であること。(絶対差)
・ 低減された割合が25%以上であること。(相対差)
この減塩のチーズは、栄養成分表示の上に日本食品標準成分表2015(プロセスチーズ)を比較対象食品としている旨が表示されています。また、その比較対象食品の同じ重量の食塩相当量は、0.42gであることも示されています。減塩のチーズは1個15gで食塩相当量が0.26gなので、その絶対差は0.16gで100g当たりに換算すると約1gになります。単純に計算すると塩分ヵットの割合は、以下の値となります。
{1 ‐ 0.26g(減塩のチーズ)÷0.42g(比較対象のチーズ)} X 100 ≒ 38.1%
塩分25%カットの25%とは、まだ随分差があります。
これにもちゃんと理由があります。食品の多くは農林水産物などの栄養成分に変動がある天然の素材を原料としているため、栄養成分表示には一定の幅のばらつきが許容されています。食塩相当量の場合その幅は、食品表示法によって±20%とされています。もし、減塩のチーズの食塩相当量が実際には表示のばらつきの上限であった場合、塩分カット率は以下の様に計算されます。
{1 – (0.26g(減塩チーズ)× 1.2(ばらつき)) ÷ 0.42g(比較対象のチーズ)} X 100 ≒ 25.7%
メーカーは、塩分25%カットを確実に担保できる水準として示しているのです。
栄養成分表示の数値は、実際の値を示しているのではなく、ある程度のばらつきを持つ表示であることを理解しておきましょう。
(注)日本高血圧学会が高血圧の予防・治療に推奨している食塩の目標摂取量が6g/日未満です。
毎日、実践しよう!
日々口にする食品について、栄養成分表示からわかる情報はたくさんあります。
確認する癖をつけて、自分には何が必要か考える習慣をつけてみてはいかがでしょうか。