固食は固定化された食事を指します。
自分の好みのものばかりを選ぶと、自然とメニューが固定化されてきます。
同じものばかり食べることによって栄養が偏り、生活習慣病のもとになる可能性があります。カロリーオーバーになりやすく、肥満の原因とも言われています。一人暮らしになるとこの傾向は顕著になり、体調を崩すことにもなりかねません。特に固食は、作ることなく買って食事をすませる場合が多く、食自体に興味をなくしがちです。「食べないより食べた方がいいだろう。」程度にしかとらえていないのです。
大学生や社会人は、本来一人暮らしが自立のチャンス。 自ら台所に立ち、料理を作ることで様々なことを学ぶはず。しかし、味気ない一人の食事に嫌気がさしてしまうのか、自炊を維持することが難しいようです。

彼らが育ってきた家庭環境が影響するという指摘もあります。
子ども時代に、料理することを親から危ないからと止められたり、 塾通いなどで家庭の手伝いをする間もないなど、食の下地が不十分なのです。
好きな時に好きなものだけ食べることは、他人の目が無いことからも起こります。
子どもの場合、親が共働きで食事時間にいないと、食卓での充分な食指導ができないのです。子どもの自由に食事させるリスクは思ったより大きいもの。親も後ろめたさがあってか、好き嫌いについて厳しく言えなくなるようです。
子どもを取り巻く環境が変わったせいもあるでしょう。 ファーストフードやコンビニなど手軽に食が手に入る場所があるため、あらかじめ食事の用意をしなくてもいいようになっている状況です。
自らの健康に照らし合わせて、バランスのよい食事を心がける意識が必要ですね。

一人一人が「食を選ぶ力=選食力(せんしょくりょく)」を持つことが重要です。苦手なものをあえて食べる努力、不足している栄養素を考えた食事選び、作ることから始める食への動機づけが固食脱却のカギとなります。

6つの「こ食」