江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座レポート第五回

 すっかり春らしくなりました。
間があいてしまいましたが、江戸東京野菜コンシェルジュ育成講座第6回講座のご報告です。

今回は「江戸東京野菜の歴史と食育」をテーマに、阿部希望さん、鈴木恵理さん、横山修一先生の、学問的、教育的立場からの江戸東京野菜についての講座です。

阿部希望さんは筑波大学で江戸東京野菜の種と種屋について研究されている農学博士でいらっしゃいます。
講座のテーマは「伝統野菜の栽培を支えた種屋の役割」です。
阿部さんはご縁があって種屋の蔵開きに立ち会うことができ、ご自身の研究テーマに出会われたそうです。

近世中期から活発になった商品野菜の栽培ですが、形が不ぞろいの在来種から、形などの良いものを選別、栽培をして固定種としていった種屋の役割、また種の需要と流通の関係についても学びました。

次の鈴木恵理さんは東京都荒川区尾久宮前小学校で栄養教諭をしていらっしゃいます。
テーマは「小学校での江戸東京野菜を利用した食育について」です。

尾久宮前小学校では、1年生から6年生まで全学年を通じ江戸東京野菜の活動に取り組んでいるそうです。
江戸東京野菜を栽培し、調理して味わうことで、小学生にも江戸東京野菜が身近なものに感じられるのではないでしょうか。
江戸東京野菜を学ぶことは、食育ということ以外にも地域の人とのつながり、活性化にも貢献し、小学生のうちから地域の一員であるという意識を持つことができるのは地域にとっても良いことです。そして上級生から託された種を下級生が受け継いでいくということは、命のつながりを学ぶ上でも大切なことだと思いました

最後は都立園芸高校の横山修一先生の講座「高等学校における江戸東京野菜の取り組みについて」
です。

都立園芸高校では学生が江戸東京野菜に興味を持ち、江戸東京野菜について学び、栽培をしているそうです。試行錯誤を重ね、いまでは20種類以上の江戸東京野菜を栽培し、高校内で販売もしています。
デパートやホテルにも卸していて、学生自らが販売促進に関わり、プレゼン、値段交渉もしているというのは学生さんの将来のためにも役立つことだと思います。
同校の生徒さんが発見した江戸東京野菜「宇奈根ねぎ」の話や、他高校とのコラボもおこなわれている話は大変興味深いものでした。
当日先生が持ってきてくださった大蔵大根もとても立派で、園芸高校までぜひ買いに行きたいと思いました。

このように次世代を担う小学生から高校生、大学生たちが積極的に江戸東京野菜を学び、栽培にかかわっていることは、とても頼もしいことだと思います。

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